2023年4月1日(土)~9月10日(日)





《山間草炎》[山形県東田川郡朝日村田麦俣]1962

向井潤吉アトリエ館は、本年で30周年を迎えます。

本展では、向井潤吉本人の自選による寄贈作品28点を特別に一挙公開します。これらは、アトリエ館の開館に先立つ1983年に、区立美術館設置(世田谷美術館、1986年開館)の準備を進めていた世田谷区に対し、向井が大切にしていた作品のなかから選りすぐって寄贈したものです。いずれも向井が民家を描く画風を確立させた1960年代以降の充実した制作時期のもので、故郷の京都や好んで取材した長野、東北各県などを含む、各地の風景が描かれた優品ぞろいの作品群となっています。これまでも折々にアトリエ館で展示してまいりましたが、一堂にまとめてご紹介するのは今回が初めてとなります。

向井はその後、「六十年もの長い間お世話になってきた世田谷区の美術文化の発展と青少年の啓発にお役に立つことができれば」と、私費を投じて自宅兼アトリエを美術館に改装し、600点あまりの手元にあった作品とともに世田谷区に寄贈し、1993年7月10日、世田谷美術館の分館として向井潤吉アトリエ館が開館しました。

向井潤吉からの大きく、ゆたかな贈りものであるアトリエ館、そして自選寄贈作品28点に向き合っていただき、世田谷の地を愛し、日本の原風景を追いつづけた画家のまなざしと思いにふれていただければ幸いです。




《雨後千曲川》[長野県下水内郡豊田村豊津硲]1977



《水辺の曲り家》[岩手県稗貫郡大迫町内川目]1976年


※[ ]内の地名の表記は、制作時の記録等に基づきます。




***開館30周年記念 無料開館のお知らせ***
7月15日(土)、16日(日)、17日(月・祝)の3日間は、
入館無料となります。皆さまのご来館をお待ちしております。






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